あらすじ:
夏目漱石を敬愛し、妻のハルを愛する青年栗原一止は、信州にある、
「24時間、365日対応」の病院で、今日も勤務中。
悲しむことが苦手な内科医である。ここでは常に医師が不足している。
専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を三日取れ
ないことも日常茶飯事だ。そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。
大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。
最先端の医療を学ぶこともできる。
だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。悩む一止の背中を押してくれたのは、
高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった。
第十回小学館文庫小説賞受賞作。
著者:夏川草介
コメント:
医療現場での医師の目線、夏目漱石を敬愛する一止の語り口調から始まるので、
初めはなかなか難しくてページをめくる速度がスローだったけれど、カメラマンで、
世界を飛び回る妻のハルが登場してきた辺りから、面白くてどんどんページを
めくってしまいました。一止のハルに対する優しさが、とても微笑ましい^^
周りの皆も優しくて、カステラのエピソードで涙が溢れました。誰かが亡くなって
しまうのはとても悲しいけれど、読んだ後は、とても清々しく優しい気持ちになって
いました。信州に少し住んでいたことがあるので、秋の短かさや、冬の独特の空気
などがなつかしく感じました*
こんな人におすすめ:
・優しい気持ちになりたい
・感動の涙を流したい気分
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