あらすじ:
昔、ママは、骨ごと溶けるような恋をし、その結果あたしが生まれた。
「私の宝物は三つ。ピアノ。あのひと。そしてあなたよ、草子。」
必ず戻るといって消えたパパを待って、ママとあたしは引っ越しを繰り返す。
私はあのひとのいない場所にはなじむわけにいかないの。
『神様のボート』にのってしまったから・・・。
恋愛の静かな狂気に囚われた母葉子と、その傍らで成長していく娘草子の
遥かな旅の物語。
著者:
江國香織
コメント:
心ここにあらずで、時が止まったままだけれど、静かに一生懸命生きている母と、
成長してく娘。母娘の視点が代わり変わりに、物語が進んでいくのが面白い。
地に足がついていない、ふわふわと生きる母、葉子。旅するような生き方。
その土地に馴染んでしまったら、もう二度と彼に会えないかもしれない・・・。
そう思う気持ちは、わからなくもない。
シシリアンヌキス。
骨ごと溶けるような恋。
大切なことは箱にしまっておく。
温かい飲み物しか飲まない。
中国刺繍のある小さなルームシューズ。
細やかな女性らしい表現に溢れていて、何度も読み返したくなる作品です。
こんな人におすすめ:
・綺麗な女性らしい文章が好き。
・静かな物語が好き。
・心ここにあらずな瞬間がよくある。
・大恋愛をした事がある。
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